魂の継承

結論から言うと「やっぱ、パナはスゲーわ」と^^;


先日発売になったパナソニック製のドコモ STYLE シリーズの新端末「P-02A」の開発者インタビューなんですが、すごいっすわ。こういうモノ作りに携われてる人たちは本当に羨ましい…。
――「ノウハウを教示されずとも、同じ部品を調達できれば似たようなモノができる」というものではないですよね?

山口氏
 同じ部品メーカーに打診すれば、部品単体の情報はおおよそ把握できます。ただ、それを1つの携帯電話として仕上げるには、それなりの苦労があります。三菱さんも過去のモデルでいろいろと苦労され、トラブルを乗り越えてノウハウを積み重ねてきたと思います。今回、当社と三菱さんの間で交わされた契約では、スピードセレクターという商標を使えるようになったことに加え、部品を組み込む際の設計ノウハウなどもライセンスしていただけました。

大平氏
 部品メーカーの情報では、部品だけのノウハウに留まり、端末に組み込む際の寸法やクリアランスといった設計、あるいは評価方法といったところまでの情報が得られません。三菱さんの協力があったからこそ、そのあたりはクリアできましたし、設計サイドからすると大変助かりましたね。

菅田氏
 「事業の構造改革」という大変な時期にも関わらず、三菱さんの担当者には好意的に対応していただきました。これは本当に感謝していて、今回のインタビューを通じて、ぜひ申し上げたいと思っていました。

 ユーザーからすれば、「本当に同じスピードセレクターか?」という疑問があると思います。当然ながら、見てくれのイミテーションとして搭載するつもりはなく、1年、2年と長期間きちんと使えるスピードセレクターを搭載したいと考え、実際にその品質に達したと自負しています。 
収束させようとしている事業のノウハウを他社に伝えるって、伝える側も伝えられる側も結構な重荷だと思うんですよ。

ちなみに自分の使ってる D903i は、一時スピードセレクターがかなり固くなって修理に出そうかどうしようか迷ってたんですが、しばらくしたら至って快調になりました^^;;;
 デザインにあたって気をつけたことは、模倣のための模倣、差別化のための差別化に陥らないようにすることです。スピードセレクター搭載のスライド端末が持っているもともとの良さを素直に活かしながら、そこに私たちのアイディアを加味して、より使いやすいデザインに進化させることを心がけました。 
この辺はポリシーが初めから一貫していて、自信があるから言えることだと思います。リップサービスではとてもとても…。
――(略)最後にもう1つ、スピードセレクター搭載は今後も続くと期待していいでしょうか?

山口氏
 当社と三菱さんで契約を交わした後、尼崎(兵庫県)にある三菱さんの事務所でお話を伺ったとき、「契約したから伝えている」といったものではなく、「事業を撤退してもなお、三菱の遺伝子を後世に伝えたい」という気持ちを感じました。その想いを軽々しく扱ったり、ないがしろにしたりすることはありません。

 このインタビューをご覧になる、携帯事業を担当されていた三菱電機の方々には、あらためて「本当に感謝している」とお伝えしたいです。いわば“ 見えないたすき”を渡されたと言いますか……いろいろな意味で苦労して組み上げられたものを、「P-02A」一回だけで終わらせる気はありません。 
正直、こういうことをアピールするよりも、数字的な仕様や、機能、操作感なんかをアピールしたほうがパナソニックの利益になると思うんですよ、少なくとも短期的には。でも、それをしないってのは、やはり魂を込めてモノ作りをしてるからであって、そういう目に見えないものはバカにしてしまえばそこまでだけど、大事にすれば目に見える形で返って来ると思うんですよね。

もちろん、「三菱が撤退した分の顧客層をコレで吸収して市場占有率↑↑!」って思惑が当然大きいとは思うんですよ。でもそれを本当にイヤラシイ思惑だけで実行に移したら、本当にただの模倣、それも外見だけ、にしかならないわけで。

ともあれ、週末に D903iP-02A の機種変更して来ようかと思います。