「プロレスリングSUN」から「CHICK FIGHTS SUN」へ…

えーと先に一言でこの件の個人的感想を述べておくと「釈然としない」、この一言に尽きる。

http://www.sun-sun-sun.jp/realnews/index.php?e=189
奈苗
「本日を持ちまして、プロレスリングSUNは終了します。プロレスリングSUNは今日からChick Fights SUNに生まれ変わります。 ‘Chick Fights’とは女子プロレスの世界的な総称です。私たちは日本において、誰も歩んだことのない新しい歴史を創造するために、そしてよりインターナショナルに羽ばたくために名称を変更させていただきました。2年目の決意など各選手それぞれ刻んで、また新たな一歩を踏み出していきたいと思います。」

http://blogs.yahoo.co.jp/gedoh_jp/24876811.html
と思ってたところに、サイトで予約した10.8大阪のチケットが届きました。
「Chick Fight SUN presents Chick & Dog」との印刷。
このチケットの意味はここへ繋がっていたか…。

疑問

その1 大文字? 小文字? FIGHT? FIGHTS?

既に「Chick Fights SUN」という記述と、「CHICK FIGHTS SUN」という記述が見られる。
これ結構重要だから気をつけたほうがいい。
大文字小文字の記述を間違えたせいで商標云々が問題になる場面を、
仕事で何回も目の当たりにしてる。
あと FIGHT と FIGHTS も選手によってマチマチだなー、
たぶん FIGHTS が正解だと思うんだけど。

その2 世界的?

自分は、日本のプロレスは女子と男子がジャンルとして明確に分かれている、と考えている。
一方で海外、たとえばアメリカやヨーロッパ、メヒコ、プエルトリコなどでは、
団体として分かれているところがあったり、団体としては同じ団体の中で男女抱えていたりしてるけど、
ジャンルとして明確な区別がないところが多い。
そこであえて Chick Fights という言葉にこだわったのは、
狙いはアメリカなんだろうと考えていいと思う。
まぁアメリカ=世界的…、か…w
自分はそこそこ親米だと思うんだけど、盲目的ではないんでしっくりこなかったりw

その3 Chick

Chick という言葉は girl の俗語。girl ほどは純なイメージではないし、
また girl ほどカバーする年齢層・容姿などw が広くない。
(いろんな対象として)かわいこちゃん、というくらいの意味だと思っていい。
実際に Chick Fights という成句になるとそういう意味は抜けて、
Women's wrestling というくらいの意味にはなるんだが。

その4 日本の女子プロレス、海外の女子プロレス

SUNに限らず選手・スタッフがやらなくてはいけないことは、
今彼らがやっていることが海外に、世界に通用させていくことなんだと思う。
特に日本の女子プロレスというのは海外の女子レスリングと違って、
非常に特殊かつ独自の進化をたどってきた。
元々進駐軍を相手にした見世物から始まり、
ルチャを取り入れつつ独自の進化をとげた全日本女子プロレス
一方で山本小鉄をコーチに迎えストロングスタイル、ゴッチイズム、小鉄イズムから始まり、
さらにそこにグラン浜田仕込みの空中技などを乗せていったジャパン女子。
全女系とジャパ女系がその歴史的・技術的背景の違いから、当初交流を拒み続けたのは有名な話。

今でこそ、全女はなくなり技術・選手はNEO・SUN・伊藤道場などへ、
ジャパ女はJWPLLPWに分裂、さらに小団体が乱立し、
団体間の選手の貸し借りは当たり前で、技術体系の差は詰まっている。
しかしそこには独自に進化した歴史・技術・キャリアあって、
もちろん歴史の最初の選手なんて現役ではいないわけだけど、
それらは脈々と受け継がれてる。

これが海外に通用するのかどうかは、選手レベルでは何人か実践している選手がいる。
現在進行形だとアメリカを拠点に活動し西村修選手とも交流がある元J'dの坂井澄江選手や、
メヒコに単身乗り込んでいる下田美馬選手など。
これを団体レベルで試せるのが全女の終焉を支えた選手がいるSUNなんじゃないかと思う。

だからこそ、安易に海外に迎合するような真似は釈然としないんだ。

期待

期待というより、希望したいこと、かな。

1つは、まだ日本国内の足場も固まらないうちに、世界戦略を見据えて、
どうして浸透してきた「プロレスリングSUN」を変えるのか、ここに納得できる説明が欲しい。

2つ目は、この変更で失うものがないこと。
特に今の所属4選手というのは全女から色々なものを背負ってきているし、
それがあるからこそ支えているファンがいっぱいいる。
もちろんSUNに全女を重ねすぎるのは良くないことだし、
SUNには1年で築き上げたSUNのカラーがあるから、そこも大事。

3つ目、安易に再変更しないことw

4つ目、変えたからこそ出来ることを見せて欲しいこと。
所属選手に海外の選手を迎える、とか、
団体単位で海外に乗り込んでいく、とか、
Chick Fights という言葉にこだわったからには、
それで出来るようになることとか、交渉しやすくなることがあるはず。

こんなとこでしょうか。

勘違いされたくないのはこの団体名変更が「悪い」とは全く思ってないんですよ。
「CHICK FIGHTS SUN」「Chick Fights SUN」どっちにしても見た目のバランスもいいしね。
ただ釈然としない。それはおそらく情報が足りない・出せないから。

まぁ結局は「変えた本当の理由はまだ言えないんだよね?」って思ってますわw
アイウエオ順が変わる名称変更というのは色々インパクトが大きいのに敢行したということは、
やはりそれなりの理由が裏にあると思うんですよね。